

一度書いてみたかったネタ。
歴戦の猛者にも最近エロゲを買えるようになった若人にも、それぞれがエロゲの予約というギャンブルを制するための方法論を持っていることだろう。
そして、いままでにも色々な人の話を見てきたに違いない。
この話はあくまで私の素人考えにすぎないけれど、誰かの参考になれば幸い。
俺たちは行く。あの過酷な地雷原へ。
「地雷」とは何か
エロゲにおける地雷とは、作品としての完成度や顧客満足度が著しく低い物を指す。
そもそもプレイすらままならない未完成品
「おたくまっしぐら」や「まじかる☆プリンス」や「School Days」のようなそもそも素材が揃っていない・製品の体裁を持っていないもの。
“一応プレイできる”という意味では「Dies Irae」や「Garden」は該当しない。
バグゲー
一見製品としての体裁は整っているように見えるが、プレイしだすとバグだらけでプレイに支障のあるもの。
昔の「ライアーソフト」や「すたじおみりす」とか。
作品規模の縮小
特に予告なく作品規模を縮小したまま発売されるもの。「Dies Irae」や「Garden」の類。
「縮小された」と判断するに足る事前情報がなければ該当しない。そのため判断が難しい。
一般的な期待との落差
「一般的な期待値が高い」とは大手メーカーの作品であることや、有名クリエイターの名前が使われているとか、あるいは広報での扱いが大きい場合等。
そういった作品に目立つ欠点があると、製品としての体裁が整っていても酷く叩かれることがある。
個人の期待との落差
相手に不相応な期待をかけ、勝手に裏切られてしまう場合。
判断ミスの責任を他所に転化しづらい。
「地雷」と精神論
最も有効な回避手段
地雷の回避において最も有効なのは
「情報が出揃うまで手を出さないこと」に他ならない。
あまりにも当たり前のことだ。
予約買いや当日買いなどせず、信憑性の高いレビューが出てくるまで待つ。
レビューは複数、できるだけ多くのものを比較して検討すべき。
ここまでして踏み込んだのが地雷だったなら、それは見る目が無かったと言うしかない。
もしお客が全員これをやりだしたら、どれだけ作ればいいのか分からないメーカーや、どれだけ入荷すればいいのか分からない&予約特典を作ったショップは大弱りだが、消費者はそんなこと知ったこっちゃない。
しかしこれでは予約特典が手に入らなかったり、プレイできるまでに時間がかかったりする。
そこで予約買いという危険を犯す人間が出てくる。
おもいっきり予約特典商法にハメられている気がしないでもないが、ショップ同士の競争の成果か、イイものがあったりするから侮れない。
期待との戦い
すべては宣材と広報の手練手管にやられて、冷静な判断力を失ところから始まる。
そもそも「欲しい」と思わなければ予約買いも何もないのだから当然だ。
しかしその宣伝の中には、
「酷い作品なのは分かっているが資金回収のために買わせよう」という
悪意(いかなる切実な事情があれそれは悪意なのだ)がまぎれていることを知らなければならない。
無条件に作品を信頼してしまう若かりし日と決別しない限り、財布代わりか鴨のように扱われることは免れない。
惚れた弱みという奴で、状況は不利なところから始まる。
地雷を回避しようとするということは、作品への期待を切り捨てていくということでもある。
それができないのなら、思うさま踏めばいい。
精神的な余裕
しかしエロゲもエンターテイメントである以上、金銭を通じてある種の情をやりとりするものである。
儲かるか儲からないかのギャンブルではない。面白いか面白くないかの賭けなのである。
前座の新人芸人の拙い芸に「金返せ」と喚くより、「いつか育ってくれればいい」という余裕を持つことは、享受する側として欠かせない要素だと思う。
目をすがめて「何かあったら叩いてやろう」と待ち構えていると、地雷は向こうからやってくる。
悪人の所在を探してばかりいると、治安の悪い路地裏に紛れ込んでいることに気づかないのだ。
「悪意」は常に隣にあるが、余裕を忘れては楽しめるものも楽しめない。
「地雷」の回避
具体的な地雷の回避について。
結論から言えば、簡単に踊らされないように気をつけることはできても、実際に地雷を回避できるかどうかは運次第で、机上の空論である。
また、回避したはいいが実は良作だった……などということもよくある話。 結局は、「地雷だろうがなんだろうが予約してしまう覚悟を決めるまでの思考過程」でしかない。体験版のプレイ
広告を見て「いいな」と思ってしまったら、地雷を踏み込む第一歩である。
広告の段階で「地雷丸出し」なら回避は簡単だが、ヤバさを見せないのが広報の手腕。侮ってはいけない。
しかし宣伝に使われるもののうち、最も誤魔化しがききにくいものがある。
それが「体験版」だ。
絵・ゲーム画面・文章・音楽・システム・動作など、最も多くの情報を雄弁に語ってくれる。
もちろんコレで全てが分かるはずもないが、世の「感想」の類を見ている限り、体験版レベルで分かるはずのことに文句をつけているケースがままあるのだ。
「なんだよこの出だしは……」とか「重くて動かないんだけど」とか「絵が酷い」とか「声があってない」などという「地雷扱い」はこれでほぼ回避できる。超基本。
有料体験版ならともかく、無料ならやっておくに越したことはない。
メーカー・ブランドの過去作を調べる
過去作を調べると、概ね
・「高水準だが寡作」
・「高水準で多作」
・「波が大きく多作」
・「凡作で多作」
・「凡作で寡作」
・「低い水準で多作」
・「低い水準で寡作」
・「新規」
といった具合に分けることが出来る。
とりあえず
ErogameScape−エロゲー批評空間−のメーカー別情報あたりを参考にするのが分かりやすいだろう。
ポイントとしては、評価・入力数・修正ファイル有無・バグの程度・作品傾向・ボリューム等に関する情報が重要だ。
このうち、多作で質が安定している場合は、株でいうところの
安心買いが通用することが多い。
これでハズしたら、もはや運が悪かったとしかいいようがないレベルだ。
寡作や新規の場合は他の要素で判断するしかない。
問題は「波が大きく多作」という場合。
極端な例を一つあげると、「戯画」あたりが該当するだろう。
(参考)
ErogameScape 戯画 このメーカーで気をつけるべきポイントは、例えば
「評価の高い作品とスタッフを把握すること」 「どのシリーズのどういうコンセプトの作品かを見定めること」 などだが、浅いレベルでの予想(「絵師が同じ」「シリーズものっぽい」等)を逆手に取るような戦略がとられているため、一概に語りにくい。
あえて語ろうとするとこういう感じになる。
・「DUEL SAVIOR」と同じゲームシステムを使ったシリーズは「JUSTICE」以降、規模の小さい作品しか出ていない。だから今後も「DUEL SAVIOR」と同級の作品を期待するのは難しい。
・「12コ」シリーズは印象的なデモを出してくるが、個別シナリオのボリュームがないなどの理由で高い評価を獲得したことがない。特にコンセプトの変更が無い限り次も同じだと予想される。
etc.
あくまでどう予想するかという話なので、これぐらいで。個別にやりだすときりがない。
経験的に危険度の高い作品ジャンル
ジャンルが分かった段階で警戒しておくべきもの。
ファンディスク
「ファンディスク」の名の通り、ファンの要望にこたえて出すという体裁の作品ではあるが、メーカー側のメリットも高い。いかにして開発費等を節約して儲けを出すか……と考えたとき、これほど利用しやすいコンセプトはない。
このため、ほとんどフルプライスに近い値段なのに、元になった作品に比べると非常に規模の小さい作品が出てくる……などという事態がおこりうる。売れれば官軍である。
もちろん良作も数多く存在することも間違いようがない。
(参考)
Half Moon Diary | ファンディスクは本当にファンのためのものなのか麻雀等の既存のゲームを利用したもの
ほとんどがファンディスクの一種。なので同じ理由で警戒しておくに越したことはない。
もちろん良作も多数存在する。
RPG・SLGを作ったことのないメーカーが突然作る
ノウハウがないのに突然作ってしまう。外注してたって安心材料にはならない。
有名メーカーでも失敗例は多い。
しかし突然変異のように成功するケースも存在するので侮れない。
「ゲームシステムの体験版が無い」というような場合は非常に危険。
作ったことのないバトルモノのAVGを突然作る
理由は定かではないが、低水準のものが出てくることがままある。
戦闘シーンの描写や演出が普通のAVGより難しいのではないか等といわれることがあるが、定かではない。
単にこのテのものをこなすライター等の人材が不足しているのかもしれない。
経験的に危険度の高い広報関連
延期
非常によくいわれる「延期」の問題。
発売日をサバ読んで発表する大変はた迷惑なやり口である。
延期と作品の質は必ずしも一致しないが、延期するということは、そもそも内部に問題があることとほぼイコールである。
たまたま何かのトラブルがあったのか、それとも慢性的な延期グセのあるところなのかでまた違う。
延期グセがある場合、まともな発売日すら設定できないという内部事情を喧伝しているのと同じである。
ただし、「延期しそうなメーカーだから予約は回避しよう」とすると、
相当選択肢が狭まるというジレンマがある。
普通に考えれば論外だが、あまり気にしすぎてもいけないのがエロゲ業界の「延期」でもある。
データ容量
「DVD二枚組み!」とか「容量○ギガ!」といった宣伝文句があったら、まず疑う。
一見「大作感」があるが、実際には単に「データの圧縮率が低い」というケースがあるからだ。
(参考)
恋姫 無双 容量 BMP - Google 検索 データの量で直接「質」との関係があるのは、シナリオ容量やCG枚数などだろう。
派手な特典や事前展開
初動に賭ける意気込みも、関連商品で儲けたいのもどこも同じ。
しかしそうやって期待値を上げるほど、実際の作品とのギャップが出てくる場合がある。
強く差別化された広報が、作品が凡作であることを許してくれない。
やりすぎた感のある広報が、そこそこの凡作であっても、結果的に「地雷」という印象を残すこともある。
公式ウェブサイトの状態
公式サイトは元気か。スタッフ日記は元気か。
「まともに更新するほどの余裕もない」としたらそれは危険信号の一つである。
出ている宣材の数が少ないままだとか、何か問題があった時に対応が遅いとか。
基本的なところがマズいところは、やはりマズい。作品に対する不安も高い。
メーカーの都合として雑誌を優先するのは当然だが、ネットとの親和性が高いエロゲで、ウェブサイトを軽視するようなメーカーは正直怖い。
ライター買いの危険性
もっと上の人間が作品を決めている
メーカーが作品の中身を品定めさせるために出してくる人物の名前は、主に「絵師」「ライター」「声優」「歌手」といったものだ。
しかしこのうち「ライター」という要素には、しばしば誤解があるように見受けられる。
そもそも
ゲームの企画やプロットを作っているのが「ライター」と同一とは限らない。 映画でいえば脚本と監督が別物だという場合だ。
企画に深く絡んでいるようなライターも少なくはないかもしれないが、全てがそうではない。
仮にライターより上の立場の人間が、作品の大筋をほとんど決めてしまっていたとしたら、その「ライター買い」はとたんに信用できなくなる。
「ライター買い」ができるのは、そのお目当てのライターが作品の根幹から関わっていることが分かる場合だけである。
ライターが複数いる場合、誰がどこを書いているかは分からないことが多い
エロゲの場合、一人が全ての文章を書いているとは限らない。むしろ複数の人間が書いていることが多い。
こういった場合、最初にユーザーの目に触れる体験版の部分だけを有名ライターが書き、他は違う……といった戦略も普通に想定される。
「サブライターが誰か」ということも無視できない要素となる。
サンプルボイスは聴くべき
体験版に出ていないキャラの出番が多くなることもありうる。
キャラの声の違和感がないかどうか知っておくことは重要だ。
最悪の場合は特定キャラのボイスだけオフにすることも考えられるが、その機能を搭載していないことも少なくない。
その時は慣れるまで我慢するハメになる。
もっとレベルの高い判断
さらに深く広く情報を把握することによって、レベルの高い判断ができる可能性がある。
例えば
「実際に誰が作っているのか」に関する細かい情報。
しかしこれは、スタッフロールでも出てこない限りユーザー側から把握するのは難しい。
プロデューサーやディレクターは誰なのか、プログラマーは誰かのか、音響を担当しているのはどこか等。
あるいはそのメーカーの
経済状態に関する情報。
例えば、開発費のかかった作品を出してコケた後の作品は、資金が限られた状況で出す苦し紛れの代物になるかもしれない……等の予測が立つ。
残念ながら、そういうレベルの高い判断は私には無理である。自分が業界に足を踏み入れるか、コネでも作るしかないかもしれない。
「あそこは中がゴタゴタしてるからまともな作品なんか出てこないだろう」ぐらいの“いかにも”なことが本気で言えれば、もはやユーザーレベルの判断ではなくなっているかもしれない。
ブツを手に入れた後で
プレイし終わるまで他人の感想を見ない
実際に作品を手に入れた後で、プレイし終える前に他人の感想を見てしまうことがある。
特に口さがない意見が集積する場所では、ネガティブな意見が多数を占めたり、「地雷」と騒がれる作品も少なくない。
そこでの穿った見方や深い考察によって「なるほどそれは酷い」と納得させられてしまうこともある。
しかし、
実際にその作品を自分がプレイした時、そこに書かれている「酷さ」を、同じように「酷い」と感じるとは限らないのである。 私の経験上、「酷い」とされていた作品を実際にプレイしてみると、掛け値なしに面白かった……ということは少なくない。
そのため、実際に作品を手に入れる前ならともかく、手に入れてしまったら、もうプレイし終わるまで他人の感想は見ない方がいいといえる。
他人の評価に引き摺られてしまったり、ネガティブな意見で気分が壊れてしまっては元も子もない。 その作品が自分の中で「地雷」になることを回避する
長く吟味することで味がでてくる作品もあるが、たいていの場合、吟味するよりさっさと手放してしまったほうが、いい印象が残ったりする。
要するに
「観念性」が維持されているうちに手放してしまえということだ。
あばたもえくぼ、美化、先入観、認知の歪み……とかく人の心は主観的な方が盛り上がりやすい。
じ〜〜っと吟味していると余計な客観性が、肯定的な感情に水をさすこともある。
批評をしたいならともかく、楽しみたいだけなら作品の欠点など知らないに越したことはない。
「地雷」を踏んでしまったら
パッケージを見るたびに精神衛生に悪いような作品もなくはない。ほとんどトラウマである。
そんなものは、自戒のために手元におきたいのでもない限り、さっさと処分するに限る。
というより
売っぱらうってことなんですけど。
時間的・精神的な損失はもはや補填できないが、金銭的な損失はある程度まで埋め合わせることができる。
メーカーは自分のケツを拭こうとしないが、代わりにショップが拭いてくれる(拭かざるをえない)構造がある。
メーカーの利益を無視して中古を回しているのだから、酷い作品を買い取っていただくことでこちらが気に病む必要はない。
ユーザーがケツを拭かされる状況がおかしすぎるのだ。
損失を最低限に押さえることで、多少は溜飲が下がるかもしれない。
そこで既に評価の固まった良作を代わりに買って帰れば、気分的にはプラマイゼロに。
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以上「私が地雷と付き合うためのすべて」でした。